ステム(茎)を楽に直立させる方法
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概要
- 期間・・・・・・・・・2001年8月下旬〜採花まで
- 対象品種・・・・・ステムが太く強情または斜めに出やすい品種
- 使用する材料・・畦シート、ガムテープ、ホチキス
- 目的・・・・・・・・・秋に誘引作業の効率アップ、品質の向上、コストダウン(市販品対比)
- 結果(効果)・・・(最下部に掲載)
■ このような製品はすでに市販されていますので、独自のアイデアと言うわけではありませんが、できるだけ経費をかけずにやってみようと言う事で試みました。シートそのものの加工に手間がかかるので、お忙しい方は市販品をご利用になることをお勧めします。
材料と加工(カット)
使用した畦シートは、幅=25cm、長さ30mの規格品。
- 1.長さを決めカットする。
この実験では8号鉢ですので、長さは90cmとしましたが、株の状態によっては実測してみる事が必用。
10cmくらいオーバーラップするように決定する。
- 2.シートの幅を二分の一にカットする。
長い定規を当ててカッターナイフで切りましたが、結構時間がかかりました。他にもっと早くできる方法を試みる必要があります。(12.5cmに仕上げますが、下記も参考にしてください)
■ 12〜15cmくらいの幅だと花芽は直立しやすいが、7.5cm以下だと斜めになりやすい。あまりシートの幅が広いと、株元への光線不足が心配されるが、鉢間隔を多めにとる事で問題はそれほどなさそう。・・・某、業者さんでの結果。ただナメクジやカタツムリの巣にならない様充分に注意をはらう事。
装着方法
■ できるだけ緩みがない様に巻くのがコツですが、既に花芽が伸びている株では折らないように注意しながら作業をします。
巻く強さが決まったところで、ホチキスで仮止めした後ガムテープで止める。
■ 巻く時期は花芽が見えて伸びだす頃。(なるべく早めの方が効果は大)
・写真左はベンチに置いた所。
・写真右は取り付け作業完了。 |
経過
■ 畦シートを巻くときには、かなり小さかった花芽も真っ直ぐ上を向いて伸び始めた。経過は順調で良好な感じ。
■ 秋も半ばを迎え誘引作業も忙しくなり始めたが、今までみたいにあおられる事も無く、狭い通路を歩いていても斜めに飛び出したステムにぶつかり、折ってしまう事も起こらない様子です。
・写真左、手前の鉢には大きいのが2本、小さいのが2本見える。
・写真右は最も伸びたステム。 |
結果
- 秋の誘引作業時間が大幅に短縮でき、品質的にも上位等級が多くなり満足な結果が得られたが、採花する時に畦シートを巻いたままだと邪魔になり作業性が悪くなるので、花を切リ始める直前にシートを外す必要がある
- 今回は初めてなのでガムテープとホチキスで二重に止めたが、ホチキスだけでも充分に耐えられる事と、シートを外す時にガムテープの粘着剤が強すぎて外しにくい事と、粘着剤が指についてベタベタになってしまう。・・・(次からはホチキスだけで止めるようにする。)
- 切り花での実験ですが、鉢物で支柱立てが困難な品種ではかなりの成果があると思うし、シートも支柱立ての時に外せるのでより楽だと思います。ただ品種によっては何か障害が出るかも知れませんので、充分な実験と検討をしたうえで個々の責任のもとでやって欲しいと思います。
鉢物生産者さんでも実験しており、すでに良好との意見も聞いています。
問題点
- ステムが強情な品種でも揃って伸びない品種ではもう少し検討が必要。
- 切り花生産では採花直前に畦シートを外して回収する手間がかかる。
- ガムテープの粘着剤で指がベタベタになる。・・・ホチキスのみで止めるようにする。
■ 以上のような問題点は出たものの、多少の手間はかかっても品質向上につなげるのが目的なのでトータル的には良い方法だと思います。
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