シンビジュームの原種はベトナム、インド、ネパール、ミャンマー、中国、日本などアジアの熱帯から温帯にかけて、また南はニューギニア、オーストラリアにかけて約６０種が分布している。日本に於いてはその内の７種が確認されており、それらは着生、地生、半地生とさまざまな形で自生しています。 ● エリスロスティラム ● エバニウム ● インシグネ ● 金稜辺（floribundum） ● 駿河蘭（ensifolium） ● デボニアナム ● ロウィアナム ● トラシアナム ↓まだ一部ではありますが、下表の品種名をクリックすると原種の写真が見られます。

【花弁】 セパル、ペタルからなりそれぞれ３枚ずつ互い違いに付いていてリップは下のペタルが形を変えたものです。またセパルは上の１枚をアッパーセパル、下の２枚をロアーセパルと呼びます。 中央部には蕊（ずい）柱があります。先端部の葯の中には花粉塊が　有り一般的に言う雄しべ、そしてそのすぐ下に粘液性のくぼんだ所（柱頭）があります。これが雌しべにあたります。 リップの中央、奥には２つのレール状に盛り上がった所がありますが、自然界で受粉するために、虫が伝わって入りやすい構造になっています。 開花するときは、子房の部分（花茎から枝状に分かれ、花を支えている部分）が１８０度上下にねじれて咲きますから、他の花からみれば上下逆に咲いているということになります。

【葉】 光合成により、バルブに養分を貯えることの他に葉の中に水分を貯え、乾燥に備えるという役目がある。比較的水分の多い所で育つのでラン科植物の中でも葉厚は薄いほうです。 【バルブ（偽球茎）】 水分や養分をたくわえていて、新芽や花茎が伸びるとき、また根の機能低下や水分不足などの時に、ここから供給されます。バルブが球状に完成し、３年ほどたつと老化し褐色になって自然に葉が落ちますが、バルブが硬いうちはその機能をまだ持っています。 【根】 シンビジュームの根は、根毛がなく白い表皮に覆われていて、水分に接触して吸収するのと、共生している菌根菌により、水分と養分の吸収をしている。また、根の状態は白くて多いほどよい。

• 切り花後、ながもちします。シンビジュームは低温に強いので、暖房を使わないところや、日中でも温度が上がりにくい所へ飾れば、さらにながもちします。品種にもよりますが、約３ヶ月間長持ちした例もあります。
• 品種数と花色が多いので、目的にあった物を選べます。また開花期間（出荷期間）が長いのでいつでも使用することができます。
• シンビジュームを選ぶときは、ステムが硬いものを選びます。また、真っ直ぐが良いとされていますが、曲がっているのも時には趣があります。花弁は、同じ品種なら厚い方がよいでしょう。

• 水切り
  水の中で茎の切り口から１〜２ｃｍのところを斜めに切り、しばらくそのまま水に浸しておきます。一度遮断されていた茎の中の導管に水の柱を作り、毛細管現象で水は吸い上げられます。
• 焼く
  茎を水切りした後に、切り口を２〜３ｃｍ、ガスや炭火で焼き、炭のように黒くなったら水に浸します。この場合、花が熱気で乾燥したり、痛んだりしないように、あらかじめ切り口を除き、全体を紙で包んでおきましょう。（クチナシ、アジサイ）
• たたく
  特に水を吸い上げにくい植物や、茎の硬い植物などは斜めに切った後、木づちなどで切り口をたたき、水につけます。これは給水面積を広くするためです。しかしこの処理方法は、一時的に水揚げが良くなりますが、たたいた部分に細菌が発生してやがて腐ることもあります。（コデマリ、ストック）
• 湯揚げ
  茎を水切りした後に、切り口２〜３ｃｍを沸騰した湯の中に２０秒ほどつけてから冷水に浸します。この方法は、熱湯で煮ることで切り口を消毒し、細菌の侵入を防ぎ、さらに刺激によって茎の中の水分が押し上げられます。この時も植物が傷まないように前もって紙などで包んでおきましょう。（ガーベラ、スイトピー）
• 逆さ水
  花を逆さに持ち、葉の裏に水をかけます。葉に水をかけることで水分の蒸散を防ぎ、また切り口に水の 圧力ががかって葉の中に水を送ることになります。葉の裏に霧吹きなどで霧水をかけてやることでも代用できます。（アジサイ、アンスリュウム）
• 深水
  水揚げの悪い植物は、水切りの後、水の中に浸し深水にします。水が深いほど切り口に水圧がかかり、茎の中を押す力も強くなります。そこで、葉の多いものや弱い性質のものは深めの水に、その逆のものは浅めの水にします。（ヒマワリ、アンスリュウム）
• 薬品類
  水切り後、切り口に薬品などをつけ、殺菌やショックを与える方法です。薬品は酢やみょうばん、アルコール塩などを植物に合わせて使います。市販されている切り花延命剤は、花瓶の水に溶かすだけで水揚げを助け、細菌の侵入を防ぎ、さらに栄養補給もします。

• 糖の利用
  根からの養分供給を絶たれた切り花では、エネルギー不足のために花は小さく花色が不鮮明で 品質保持期間がみじかくなります。そこで，水１リットルに対して３０ｇの砂糖を加えた溶液に 生けると花もちが良くなります。
• １０円玉の利用
  花瓶のなかに１０円玉を入れておくと銅には殺菌力があり、水を腐らせない効果があります。

• 切った茎を１分ほど酢につけて殺菌します。また、水１リットルに対して３０ｇの砂糖を加えた溶液に生けると花保ちが良くなります。

• 気温が上がってくると花瓶の中の水は腐りやすくなります。そのままにしておくとバクテリアが 繁殖し、花茎の切り口がヌメリで塞がり、水を上げにくくなりますので１週間に１度くらいは先端部 を切り直してやり、水を取りかえてやれば、さらに花保ちは良くなります。

• 気の抜けた炭酸飲料を水で割り花を生ける。・・・これも糖分の利用と考えられます。

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